株式会社 代表取締役 変更

 

目次

①  株式会社の役員構成
      取締役
      監査役
      代表取締役

②  役員任期と変更手続き
      取締役の任期
      監査役の任期
      取締役・監査役の就任
      取締役・監査役の重任
      取締役・監査役の辞任
      代表取締役の変更

③  株式会社全般の基本知識
      株式会社の種類

④  株式会社の役員変更登記事例
      取締役会非設置会社・任期満了改選
      取締役会設置会社・任期満了改選
      代表でない取締役が1人残るケース
      1人取締役会社に1人追加して、代表取締役2名にする
      取締役会設置会社を代表取締役1名の会社に変更する
      複数取締役会社の取締役・辞任・就任
      1人取締役会社に1人追加して1人代表にする

 

 では順に見ていきましょうか。

 

 

 

株式会社の役員構成

 

株式会社の役員の種類は

取締役・監査役・会計参与・会計監査人

代表取締役
※ 代表取締役は会社法上の役員ではありません。

 

取締役

株式会社には最低1人取締役を置かなければならない。( 会社法326 )

株式会社は最低取締役が1名いれば設立可能です。

取締役の主な欠格事由

以下は取締役になれません。
・法人
・成年被後見人又は被保佐人
・会社法、証券取引法,破産法その他の一定の法律に定められた罪によって刑に処せられ、その執行を終わった日(又は執行を受けることがなくなった日)から2年を経過していない者
・上記に定めた罪以外の罪によって禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者(又はその執行を受けることがなくなるまでの者)。ただし、この場合、刑の執行猶予中の者は含まれない。

未成年者の就任

未成年者は取締役の欠格事由にありません。従って取締役となり得ます。
ただ、未成年者が契約その他の法律行為を行うには、親権者(法定代理人)の同意が必要となるため(民法5-1)、取締役の就任にも親権者の同意が必要となります。
実務的には、未成年者の役員就任の登記においては、就任承諾書に加え、法定代理人の同意書が必要です。

 

監査役

監査役は取締役会設置会社の場合は必ず選任する必要がありますが、その他は任意。

監査役の欠格事由

以下は監査役になれません。

・法人 ・成年被後見人又は被保佐人

・株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役

 

会計参与・会計監査人

この役員については「株式会社全般の基本知識」に掲載します。

 

代表取締役

取締役会設置会社の場合、代表取締役を取締役の中から選定しなければ、ならない。
裏返すと、取締役会設置会社でない場合、選定義務はない。

会社内の議決などで代表取締役を選定しないことは可能です。
その場合、全部の取締役が代表権を持ち、全員(1人取締役含む)が代表取締役として登記しなければなりません。

 

 

 

役員任期と変更手続き

 

取締役の任期

取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。( 会社法232)

公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。)において、定款によって、任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます。

(同法2項) 公開会社とは、発行する株式の全部または一部につき譲渡制限を定めていない会社をいう(会社法2条5号)

 

監査役の任期

監査役の任期は、選任後年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。(会社法336)

ただし、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができる。(同条2項)

定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることができます。

 

みなし解散に注意

株式会社の役員を10年以上改選登記しないと。「休眠会社」と認定され、みなし解散になる場合があります。

この休眠会社は、一般に税務署に届け出て一時的に休止しているという状態ではなく、「会社法」で規定された放置会社のことです。

 

  みなし解散とは>>>  

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取締役・監査役 他の役員の就任

役員は株主総会を開催して株主の承認を得て、選出可能です。

役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。

定款の定め内で取締役の選出に人数制限はありません。

 

取締役・監査役他の役員の重任

役員が任期満了した場合、株主総会において再度選出されないと退任となります。再任されることを重任と呼び、就任と区別されます。 重任の選出も就任と同じ前段のルールが適用されます。

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役員の辞任(代表取締役を除く)

取締役含む役員全般の辞任については、基本的に辞任の意思表示(  辞任届>>>  など)をすれば、認められます。

ただし、後任が必須なケースでは、辞任そのものの意思は有効ですが、交代要員がない状態では、その役割の責任は続きます。また、辞任登記も受理されません。

⇒定款上の役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。(会社法351)

 

代表取締役の変更

代表取締役の辞任は当人の意思によっていつでも成立します。しかし役員の辞任の段でも述べたとおり、後任の選定がない場合、辞任後もその権利義務を有するということになり、登記も受理されないのが原則です。

事例 代表取締役が代表取締役の地位だけ辞任して、取締役として残留するケース

取締役会設置会社の場合

代表取締役の辞任届または、議事録記載援用で辞任することができます。(会社実印を登録している代表取締役が辞任する場合辞任届の押印、議事録記載援用の場合は、出席者の押印に必ずその者が登録している会社実印の押印は必須

取締役会非設置会社の場合

取締役互選定款である会社の場合、代表取締役のみ辞任は可能です。その場合定款の写しの添付が必要です。
株主総会で選定する規定の会社においては株主総会で代表取締役のみ辞任する旨が承認される必要があります。その場合、定款の写しの添付は必要ありません。

参考:株主総会議事録>>>

 

 

 

株式会社全般の基本知識

 

株式会社の種類

◇ 公開会社

その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。

◇ 大会社

資本金が5億円以上の株式会社。
最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上であること。

◇ 取締役会設置会社◇ 会計参与設置会社◇ 監査役設置会社◇ 会計監査人設置会社
◇ 委員会設置会社◇ 種類株式発行会社

 

□□取締役と監査役の任期に関する補足□□

期の途中に就任した取締役や監査役の任期が他の役員の任期とバラバラになるのは中小の多くの企業で避けたいと思うのでは、ないでしょうか。任期満了改選株主総会が必要だからです。

取締役の任期は定款によって短縮することが可能となっている。このことを裏付けに、取締役の任期を辞任者の残存任期を後任取締役の任期とする規定が設立時の定款には設けれているのが普通です。

対する監査役ですが、一般に1名の監査役の事例で言うと、期中で辞めた後任の監査役を前任者の残存期間にしたいと思うケースが多いでしょう。

なので、定款に監査役の任期の特例で、期の途中で辞任した監査役の後任の任期を前任者にする定款規定を設けたいでしょうが、それはできないのです。なぜなら、監査役の任期は短縮することを想定していないので、できないと考えるのが普通です。

監査役は株主が会社の適正な運営を監視する立場の役員ですので、会社からの存立基盤の独立性を担保する意味で、一度就任したら、株主総会の承認を得ないと最低4年は解任できなくするためであると言われていいます。

ただ、補欠の監査役という規定ですが、この補欠というのは登記されている監査役ではありません。

一般に規模の大きな公開会社で多数の監査役を設けていいる会社が万一の監査役の定員不足を補強するため、一般に定時総会において、予め期中の監査役の辞任に備え、監査役の補欠を選任してある場合の特例なのです。

なので、大半の企業では監査役の任期は「就任してから4年乃至10年」となります。

期中の監査役を定時総会の取締役任期満了の際、同一監査役を辞任させて就任させることがよく行われています。(これを監査役の任期揃えと俗に呼んでいます)

 

 

 

株式会社 役員変更登記事例集

 

株式会社・非取締役会設置会社・任期満了改選

 

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登記すべき事項・別紙  >>>

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取締役会設置会社でない会社の任期満了改選登記の必要書類を上記にあげてあります。
任期は各会社の定款で定めた10年以内の期間です。就任から任期年数の応当日の直近の決算期にかかる定時総会で満了します。
10年という任期が取締役会設置会社を置かない会社では大半のようです。
あまりに長い期間ですので、改選登記を忘れる会社が結構あります。
その際、遡り、満了日まで遡る登記にするか、最近の日付の改選にするか迷います。過料も心配だし。しかし、半年以上遅れたケースでは過料は、ほぼ避けられません。
結論的には、遡りの申請書類を作成して、遅くなった申請として登記することがおすすめです。
最近の日付で変更するには、任期満了日は変更できないので、就任日だけ最近にする議事録になり、これを俗に「とばし」といいます。
遡りの場合、登記懈怠という過料、とばしの場合、選任懈怠という過料がかかりますが、後者の方が高額といわれています。
「とばし」は履歴に瑕疵がつくので、本来的にも避けた方が、懸命です。

 

 

株式会社・取締役会設置会社・任期満了改選

 

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株式会社代表取締役変更 代表でない取締役が1人残るケース

 

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例えば代表取締役1名、平取締役1名の会社があるとします。
今、代表取締役が辞任したとします。残った取締役は当然代表取締役となるような気がいたします。
しかし、残った取締役に代表権を株主総会で株主が付与しないと、当然には代表取締役となりません。
取締役会を設置しない株式会社においては、取締役は本来代表権をもっておりますが、複数取締役がいる場合、誰かが代表取締役に就任する際に、代表権を失います。なので、同じく株主が代表権を付与しなおさないと、当然には代表権は回復しないと解されているからです

 

 

1人取締役の株式会社に取締役を1名追加して、代表取締役2名の会社にする

 

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代表取締役を選定していない会社(1名取締役会社は該当)の取締役は代表権を持ちます、ので、就任取締役はそのままで代表権をもつので、会社的には、代表取締役として選定する必要はなく、取締役としては当然登記しますし、合わせて代表取締役としても登記します。事例見本の「株主総会議事録」に特に表記する必要はありませんが、「当社は各自代表取締役とする」と蛇足的に表記しております。
印鑑届は各自代表取締役の場合、最低1人届けてあればいいです。新代表取締役にも会社実印を登録する場合は、新規に印鑑を作って登録します。

 

 

取締役会設置会社を代表取締役1名の会社に変更する

 

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取締役会設置会社は取締役3名以上、監査役が1名以上必要な会社となります。
これを代表取締役1名だけの会社にしたいという要望は多くあります。
この変更は、実は、役員変更だけではできません。
なぜなら、取締役会設置会社の規定が付いていては取締役や監査役の員数を最低条件未満にできないからです。
変更の前提として
取締役会設置会社規定の廃止が必要になります。
さらに監査役を廃止するには
監査役設置会社の規定の廃止も必要になります。
また、取締役会設置会社の株式の譲渡制限規定は「取締役会の承認を得る」となっているので、この規定の変更も必要になります。
以上の変更を合わせてやらないと、役員変更ができないのです。

 

 

複数取締役会社の取締役・辞任・就任

 

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上記の事例は取締役非設置会社の事例となります。
辞任について
取締役会設置会社の場合、取締役が3名未満になる登記は役員変更だけではできません。事例集中にあるので、参照。
就任について
取締役会非設置会社の場合、就任承諾に個人実印の押印が必要です。また、申請書に印鑑証明書を添付します。
取締役会設置会社の場合、就任承諾に個人の実印の押印は不要です。
取締役会設置会社の場合、申請の際、実在する人間である裏付けとして、「運転免許証の裏表の写し」「マイナンバーカード」「パスワード」などの写しを添付する必要があります。

 

 

1人取締役会社に取締役追加して、代表取締役1名にする

 

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1人取締役会社の登記簿(履歴事項全部証明書)を見ると、取締役A、代表取締役Aと併記してあります。
なので、1人取締役を追加するだけで、元の取締役はそのまま、代表取締役、追加取締役Bは、平取締役として登記に反映されると思いますが、そうではないので、注意が必要です。
1人追加するだけだと、追加した取締役Bも代表取締役として登記される可能性があります。
普通は補正にかけて、注意を促すようなので、再作成すれば、事なきを得ますが、面倒であることは確かです。
取締役会設置会社でない株式会社の取締役は本来、各自代表権をもっています。
取締役が複数になった場合、株主総会で代表取締役を選定しなければ、各自代表権をもち、代表取締役として登記されます。なので、旧取締役のみを代表取締役とする場合、代表取締役を選定する決議が必要で、選定されなかった取締役は代表権を失うという構造になります。