一般社団法人

 

敷居の低くなった社団法人

 

一般社団法人は、従来の民法を根拠法規とする社団法人に代わり、2006年の公益法人制度改革に伴う法改正により設立された法人です。

公益法人制度改革では、公益面の要件充足を重視し許認可制度により厳しく統制してきた社団・財団の在り方を見直し、より民間非営利部門の活力を引き出すため、原則として法人登記による設立を認め普及をはかりました。

ただ、公益法人がなくなったわけではなく、一般社団法人や一般財団法人の中から希望する法人に対しては、公益認定を受けて公益社団法人・公益財団法人に移行する制度が新設されています。

法改正に伴い、社団法人は一般社団法人と公益社団法人に区分されます。一般社団法人に関しては公益性は求められず、所轄官庁による許可も不要です。

制度開始以来、一年間に約6,000法人が新規に誕生していると言われています。

 

① 一般社団法人の役員構成

② 役員任期と役員変更手続き

③ 一般社団法人の基本知識

④ 一般社団法人の役員変更登記事例集

 

の順で見てまいりましょう。

 

 

一般社団法人の役員構成

 

社員

社員2名以上で一般社団法人を設立しますが、社員の資格は法定されていないので、自然人は勿論、法人もなれます。

ただ、定款の社員資格を定めれば、制限できます。また、出資は義務付けられていないので、これも定款で会費の徴収を決めるのが普通です。

また、社員は設立後1名になっても存続は可能です。

 

役員

一般社団法人の役員は「理事」「監事」である。

 

一般社団法人の役員には以下のものはなれません(法65条)

・  法人

・  成年被後見人、被保佐人又は外国の法令上同様に扱われている者

・  一般法人法あるいは関連する法律に違反して刑に処せられ執行等を終え、2年を経過しない者

・  その他の法律に反して禁錮以上の刑に処せられ、執行等を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

 

理事

 社員が理事を最低1人以上決定することによって、一般社団法人の人的基礎は固まります。

理事会設置一般社団法人には理事を最低3人代表理事を1人以上監事を最低1人置かなければならない。

 

代表理事

 理事会設置一般社団法人では代表理事を選定しなければならない。また複数選定可能です。

非理事会設置一般社団法人の場合、代表理事を選定しなければ、全員が法人を代表します。また代表理事を選定した場合、選定されなかった理事は代表権を喪失します。

 

監事

第六十一条 理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。

 

 

 

役員任期と変更手続き

 

役員の任期

理事

理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することも可能です。

監事

監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までです。ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることもできます。
株式会社の監査役が任期の短縮ができないのと対照的です。

 

役員の就任

役員(理事及び監事)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任します。
社員は、各一個の議決権を有する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行います。

 

役員の辞任

一般社団法人の役員はいつでも辞任することが可能です。ただし定款上欠員を生ずる辞任は、辞任そのものは有効ですが、後任が決まるまで、権利義務が継続し、登記は原則申請できません。

 

役員の退任

定款に規定された役員の任期が満了すると理事は自動的に「退任」し、改選が必要になります。

再任されなければ、退任として、登記します。

継続して就任することを「重任」といい、理事 ○○○○、○年○月○日「重任」と登記します。

参考 : 定時社員総会⇒

 

役員の解任

役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができます。

 

 

 

一般社団法人・全般の基本知識

 

社員

経費の負担)第二十七条 社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。

と規定されていますが、これは株式のような資本金の出資とは、性質が異なります。

一般社団法人には設立時に資本金のようなものの出資義務はありません。しかし、運営にはお金がかかりますので、その経費を社員は負担しなければならないわけです。

多くの一般社団法人では、会員制度を設け、その資金の受け入れ先として、○○基金を設けています。一般に会員を法令上の社員とするのが普通ですが。あくまで任意です。

「正会員」「賛助会員」「法人会員」などというような区別を設け、「正会員」を法令上の「社員」とする・・・などです。

基金は登記事項ではありません。また、基金への出資金は原則「返還義務」があります

 

□ 税制優遇について

一般社団法人は、「非営利型」と認められた場合のみ公益法人に近い優遇措置が受けられます。

非営利型の条件

非営利型が徹底された法人

上記タイプの非営利型と認められるには以下の要件が必要です。

① 特定の個人や団体(国・地方自治体や政令に定める公益団体を除く)に対する財産分与・利益供与を行ったことがないこと
政令に定める公益団体とは、公益財団法人や公益社団法人のほか、学校法人・社会福祉法人・更生保護法人・独立行政法人の一部・国立大学法人を意味します。

② 特定の親族グループが理事の総数の1/3を超えないこと
親族グループには、理事の配偶者(内縁を含む)、3親等内の親族(叔父叔母・おいめい・曾祖父母・ひ孫まで)、理事の使用人や生計を一にする者とさらにその親族や配偶者まで含みます。

③ 定款において、剰余金など利益の配分を行わないことを明記していること

④ 定款において、解散したときは残余財産を国・地方自治体や政令に定める公益団体に贈与することを明記していること

 

共益的活動を目的とする法人

上記タイプの非営利性が認めらるには以下の要件が必要です。

① 特定の個人や団体(国・地方自治体や政令に定める公益団体を除く)に対する財産分与・利益供与を行ったことがないこと

② 特定の親族グループが理事の総数の1/3を超えないこと

③ 会員が利益を共有できる事業(会員同士の懇親の場開催・名簿や連絡網の整備・会員間の相互支援促進など)を運営していること

④ 会費を徴収していること(その旨を定款に定め、かつ徴収金額を会員の決議により決定している)⑤ 収益事業がメインの事業でないこと

⑥ 定款において、残余財産(解散時)を特定の個人に帰属する旨を定めていないこと

⑦ 定款に、特定の個人や団体に対し財産に対する利益の配分を定めていないこと

 

◇ 非営利型法人としての手続き

一般社団法人を設立するときは「法人設立届」を、営利型法人から非営利型法人に変更するときは「異動届」を納税地の所轄税務署に提出します。

 

◇ 非営利型法人に対する税制優遇

非営利型法人に対しては、非収益事業は課税対象外とされ、収益事業にのみ課税されます。

 

 

一般社団法人の役員変更登記・事例集

 

一般社団法人の役員の任期満了改選(重任)

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